20170831

ModernSwing21: ある日突然打てなくなりました


Question

わたしは40代女性、ゴルフ歴20年、スコアはだいたい80前半、
ドライバー飛距離は210yくらいです。

練習は週3、ラウンドは月5,6回、素振りは毎日欠かしません。
ここ数か月はスコアも飛距離も伸び、ゴルフがますます楽しくなってきました。

それなのに、、先週から、突然、本当に突然、打てなくなってしまったのです。
スイングを変えたりクラブを変えたり、一切ありません。

自分の中では何も変わっていないのに、
突然打ち方がわからなくなってしまったのです!
どこにクラブを上げていたんだろう、どうやって打っていたんだろう、
そんな事がわからないのです。

得意なドライバーもまともに当たらなくなりました。
昨日のラウンドでは左のチョロが数回出ました。
アイアンもほとんどトップです。
当たっても力のないフニャーっとした弾道です。

自信がなくなり、もうゴルフやめたい、と初めて思いました。
なぜこんなふうになってしまったのか、さっぱりわかりません。
時間が経てば元に戻るのかもしれませんが明後日は大事な試合があります。
こんなのでは最下位だし、出場もためらっています。
もう目の前が真っ暗です。


Answer

このような症状は決して珍しくはありません。
いつ、誰に起こってもおかしくないのです。

これは20年経っても同じだという事を認識してください。
原因はズレを調整していなかったからです。

スイングは完成された後でもズレます。
それは毎日でもズレますが、それを放置しておくと
軌道がズレて当たらなくなり、そこで初めておかしいと気がつくのです。

フォームの乱れ、タイミングのズレに気が付かないこと、そして
当たらなくなってから修正しようとしても、どこがズレているのか分からず
試行錯誤して、せっかく定着した正しい動作まで崩してしまいます。

ゴルフはただ闇雲に球数打っていれば上達し、それを維持できる
と思ったら大間違いです。

スイングはどんどんズレて、そこで適正な処置をしないと大変です。
スイングが完全に崩れると、10年ほど休んで全てを忘れ、また
初心者として一からやり直すしかありません。

このように、取り返しが付かないことがゴルフにはありますので
そうならないように、守らなければならない大切なことがあります。

それは、自分の打法やスイングを理解することです。
メカニズムを知り、どこをどう動かしているのかを頭で理解することです。

ゴルフはセンスで感性だとかいう人がいるのですが
その感覚やイメージだけで打つから、そういう事になるのです。

この感覚という機能はズレても気が付かないのです。
感覚という物がいかにいい加減な事かは、撮影してみれば分かります。
思った動きと、実際の動きは違うはずです。

やっている積もりでも、まったく違うことをやっていたり
とんでもない動きを知らないうちにやっていたりするのです。
感覚やセンスとは、これだけいい加減だという事です。

ゴルフは物理で習って感覚で振る、というのが原則です。
メカニズムとして、どこをどう動かすのかを理解しながら
それを体に定着させ、その形に毎日でもズレたら
元の位置に戻すという作業が必要なのです。

しかし、ほとんどのゴルファーはこの作業をやっていません。
一流プロは毎朝の調整練習でこれを行っています。
ズレはその日に調整して、元のフォームに戻すことで維持されるのです。

それにはチェックポイントを設け、分かりやすい形で覚え
鏡やカメラによって常に確認する必要があります。

例えば、当たりが薄い厚いというズレがあった場合、
それを調整する場所は一ヶ所ではありません。
何ヶ所かの修正場所があるのですが、どこがズレているかを判断し
そこを修正しなければなりません。

つまり、一ヶ所ズレても、そこではなく違うケ所をズラすと
帳尻があって当たってしまうのです。
感覚で打っている人は、この帳尻ショットに気が付きません。

これが何ヶ所も出てきますが、その度に帳尻を合わせ
何ヶ所もズレて来ると、そのうち帳尻合わせができなくなり
スイングが崩れてしまうのです。

それでも毎日500球うてば、運の良い人はまた当たるようになるのですが
その時にはオヤジスイングになっていて、とても自分では見ていられない
へっぴり腰になっているのです。

正しい基礎、正しいフォーム、その打法の基本動作、チェックポイント
調整方法を定着する段階で同時に身に着けて行くことで
初めて順調に最短の道を進んで行くことができるのです。

行き当たりばったりのアクシデント的な上達法は頭を使わないので
簡単に思えて楽なのですが、どこかでそのツケが回ってくるのです。

また、調子の良い時と悪い時の差が激しい、何をどう練習するか
分からない、番手によって当たりにバラつきがある、
同じ所をグルグルと回っていてどこを目指しているのか分からないなど、
これらの症状が出る人も頭で理解していない人達です。

急がば回れです。
せっかく定着したスイングを崩さないように、
慎重かつ大切にしていただきたいと思います。




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