20160530

ModernSwing21: バックスイングで真っ直ぐ引くとは?


Question

バックスイングの時、最初の30センチは、アドレスの位置から、
ヘッドを上げずに、まっすぐ引く事で、インパクトゾーンが長いスイングになって、
ナイスショットになる、という基本の1つがあると思います。
これはレッスンで教えてもらう基本的な事でしょうか。

有名なプロのコーチの内藤雄士さんの本に、書いてあるのですが、
アッパーかレベルブローにスイングするために、ビハインドザボールで、
まっすぐ引けば、ようかんのような形の長いインパクトゾーンになって、
ミスが出にくいと思います。
GDOのイボミ選手のドライバーの正面の動画を見てもそうなっていると思います。


Answer

これには問題が三つあります。まず、
バックスイングで最初の30cmくらいはヘッドを真っ直ぐに引くというのは
ちょっと誤解が生じやすいので、中期頃の打法でオーソドックスは打法は
言い方を変えるべきだと考えています。

宮里のお兄ちゃんが番組でいつもその指導をしていましたが、そのレッスンプロの
お父さんの時代に流行った打法で、これはジャックニクラウスなどが指導していた動きです。
ただ、真っ直ぐという方向は飛球線上後方と解釈するとアップライトに上がってしまいますので
軌道上を真っ直ぐにと表現する方が良いと思います。

中期の打法はかなりアップライトでしたので、その時代のスイングは
それでよかったのですが、現在はもうそのアップライトの軌道で打っている人は
ババワトソンやフューリックなどの極少数の特殊打法の人だけです。

そして二つ目の問題は、その動きは左の肩でクラブを右に押し切ることで
肩が良く回り、低く出すことで左の肩が浮かなくするためにそう指導したのであって
ダウンスイングで低く長い軌道を作るためではありません。

低く長いインパクトゾーンを作るにはダウンスイングで右腕のスナップによる突き刺し、
引き落とし、押し込みなどの動きや左肩が低い位置(軌道)を通るダウンスイングによって
ヘッドが浮かないようにする軌道とパワーを出す動きが必要です。

また、ヘッドの引き寄せによって縦の動きが入るために低いゾーンができ
レイトヒティングでハンドファーストで遅くリリースし、4時半に向かって
両腕を伸ばすことによって低いインパクトゾーンと低いフォローになりますので
この辺の動きはテイクバックの最初の30cmでは決まりません。

そして、その上げ方で必ずナイスショットになるという説明もどうかと思います。
どんな軌道でもナイスショットになるとか、ミスが少なくなるなど
あまり関連性の無いことを理由にしていることが問題で、
言っている内容は間違いではないのですが
なぜそうするのかが分からずに聞きかじりのような印象を受けます。

動きにはなぜそうするかの理由があります。
その理由をはっきりと知ることはとても大切です。
この聞きかじりや思い込みなどが、世界の進化についていけない
理由のひとつなのかも知れません。

その理由によっては、個人の価値観で動きを決めれば良いこともありますので
ガラ系で進化するのではなく、30年の遅れを早く取り戻していただきたいと思います。







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